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「私たちの事例を参考にしてください!」薬局開業応援団
「独立してよかった」と言えるために―薬剤師・薬局経営者たちの開局実例集―

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ここだけでしか見ることのできない、薬剤師・薬局経営者の方々のリアルな声、リアルな開局のお話しを『薬キャリ』だけで大公開。

VOICE:003

「徒歩圏内に3店舗目を出した途端に
既存の店舗も売り上げアップに」

はなまる薬局(仮名)
(有限会社ハナマル薬局(仮名))

吉田 秀人さん(仮名・53歳/取締役)

ハナマル市に3店舗

はなまる薬局

公立病院の門前で余裕の経営のはずが
処方せんがパッタリで2000万円の損

薬学を学ばれたのは?

父が起業家で、20ほど会社を興していて、その中には薬局もありました。私自身も自分で起業しようと、学生時代から塾経営の手伝いとか、いろいろやってみたりして。薬学を学んだのは、医療というものへの期待があったからだと思います。けれど、当時の薬学教育は薬学は教えても医療教育はされていませんでした、風邪すら教えては頂けない。薬剤師の仕事って決まりきっていてつまらないなと感じてしまった。もっとクリエイティブな、意義を感じることをしたくて、薬局だけは絶対にやらないぞと、その時は決意しました。

それで金融関係へ進まれました。

医療系から離れようと金融機関に入ったんですが、結局営業で医療関系の担当に(笑)。国の保険制度が大きく変わっていく時代だったので、仕事は面白かったです。でも、何千億単位の金額が動くのに、上司や同僚からすると、それはただの数字のデータでしかないのですね。私は、ここには病気になって助かったり亡くなったりした患者さんや医師たちの人生が詰まっていると思ったんです。お金がうまく回って、良い医療ができますようにと、その一端を担う気持ちでした。

結局、薬局を開業されました。

30代後半になって、父の会社の経営を手伝っていたのですが、景気も悪かったので収益性の高い事業を加えようと、これから伸びる分野を調べ上げて分析し、ある大手インテリアデザイン会社のフランチャイズ1号店になろうとしたんです。ただ、インテリア業界も請負代金が回収できずに苦労するとかいう話も多くて。そんな時にMRの方から、公立病院が院外処方にするから、門前で薬局をやらないかという話をいただいたんです。調剤薬局なら手堅いから、まずこちらから始めて足場を固めようと、即断しました。

順風満帆ですね。

患者数が1日150人ということだったので、最初は2割の1日30人から始めて、半分の75人くらいでやっていけるよう、体制を整えて開局しました。ところが、始めてみると、1日10枚もないんです。全然話が違うぞと、青くなりました。当時、1カ月24日と土曜日も半日営業して、1カ月の枚数が最初は50枚ちょっと。それでも、がんばっていると200枚くらいになるんですが、その翌月また100枚くらいに減ってしまうんです。

どういうことですか?

訳が分からなかったのですが、人為的にしか思えなくて、いろいろと調べてみました。結局、公立病院のほうで、役所から医薬分業促進と言われて院外処方を標ぼうはしたものの、公務員の体質ですから、病院薬剤師の方たちが自分たちの立場を守るためにでしょうか、ドクターにかけ合って院内に戻そうとしていたようです。見事に裏切られました。

・・・大変でしたね。

医療に対しては誠実に行っていきたかったので、最初から体制を整えていこうと、安全性にもコストが掛かるのは分かっていたので、薬剤師も2人置いていたんです。でも、がんばって処方せんが増えてくると、翌月にはまた半分に、というのを3回ほど繰り返して、この場所でやっていくのは難しいのかなと・・・。極め付けは、お正月に休日診療を夜間まで対応してくれと病院から言われたときに、「これに応えたら、処方せん出してもらえるようになるかな」と思い、友人の薬剤師も動員して24時間対応したんです。それなのに結果は、1日に3枚。それでもう、そのお店は閉鎖することに決めました。

本当に、大変でしたね。

結局最初の店舗で2000万円くらい無駄にしましたね。バブル時の蓄えがあったから、なんとか切り抜けたけれど。でも、そんな状況だから、移転先の開店に際してはもう借入もできなくて、資金的には苦労しました。内装や看板も業者に頼まずに、家内と友人の協力で、自分たちで壁紙貼りまで・・・。自分でできることは自分でやろうと。まだ30代で若かったから、がんばれたのかな(笑)。

今回の応援団員

今回の応援団員

よしだ・ひでと(仮名)
某薬科大学卒業後、10数余年の金融機関などでの勤務を経て、199X年に会社設立、調剤薬局開業。199Z年に移転して、現在の本店を開局。その後、2000年と2006年に新店を設立し、現在3店舗を経営。

開業ヒストリー

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